2023/11/26 加筆・修正しました。
いーぐるです。
今回は「Oculus Quest2でVRChatを始めたけど…」
- 使いたいアバターがQuestに対応していない…
- PC用アバターをVRで使いたい!
- でもゲーミングPCを買うお金が無い…
と悩んでいる人に向けて記事を書きます。
「絶対に使ってみたい!」と思っていたアバターが、Questに対応していないと悲しくなりますよね…。
「この子を使いたかったのに…」って。
でも大丈夫!
この問題を解決できる神ツール『VRCQuestTools』があります。
詳しくは後述しますが、
Quest対応させたいアバターを用意して、ワンクリックでQuest用に変換できます。
Unityの操作に慣れていない初心者の人でも、難しいことを考えず使うことができます。
『VRCQuestTools』はPC版で遊んでいる人にもメリットがあります。
アバターをPC/Questに両方対応させることで、
Oculus Quest2で遊んでいる人にも、本来の姿(PCアバター)が見えるようになります。
これによってQuest側の人が、
「本当はどんな姿なんだろう…?見れなくて残念だなぁ…。。」
と気を落とすことも無くなります。
その結果、余計な気遣い不要で集中して遊べるようになります。
まとめると、
- Questの人:PC用アバターを使えるようになる
- PCの人:Questの人に本来の姿を見せられる
- お互い(Quest・PC)の余計な気遣いが不要になる
というメリットがあります。
相手がPC/Questのどちらであろうと、余計な心配をせずにVRChatを楽しめるのです。
この記事では『VRCQuestTools』の使い方をVRChat初心者目線でご紹介します。
※この記事で使用させていただくアバター
キュビクローゼット様:オリジナル3Dモデル「舞夜」Ver.1.02.2 – キュビクローゼット – BOOTH
目次
【VRChat】PC用アバターをQuest用に変換できる神ツール『VRCQuestTools』の使い方
今回はPC用アバターの舞夜ちゃんを、PC/Questの両対応に変換していきます。
手順は簡単で、
- 『VRCQuestTools』をダウンロード
- Unityにデータをインポートする
- PC用としてVRChatにアップロード
- アバターをQuest用に変換する
- Quest版でVRChatにアップロード
するだけでOKです。
画像を参考にして進めてください。
※Quest対応によって、アバターの表情が崩れる場合があります。(詳しくは後述します)
改変されたアバターで行う前に、新しいプロジェクトで動作確認を行うことをおすすめします。
1.『VRCQuestTools』をダウンロード
【無料】VRCQuestTools – クロツグミ – BOOTH
クロツグミ様のお店から『VRCQuestTools』をダウンロードして保存します。↑
- zipファイルをダブルクリック
- 『すべて展開』をクリック
して準備完了です。
2.Unityにデータをインポートする
Unityを起動して、
- アバターSDK
- Dynamic Bone
- 『VRCQuestTools』
- アバター
等をインポートします。
ここはいつも通り、アバターをアップロードする手順でインポートします。
ASTCでテクスチャを圧縮
『VRCQuestTools』をインポートするとこちらが表示されます。
ASTCを使用するとQuest用のテクスチャ圧縮に時間がかかる代わりに画質が向上します。
と書かれています。
こちらは任意でOKです。
今回は『ASTCでテクスチャを圧縮』をクリックして進めます。
3.PC用としてVRChatにアップロード
アバターをHierarchyに入れて、そのままVRChatにアップロードします。
ここでのポイントは、
『VRCQuestTools』を使わずに、そのままアップロードする
ことです。
まずPCに対応させた状態にしてから、Questに対応させていきます。
VRChatを「Oculus Quest2単体でプレイしている人」も、この手順を必ず行ってください。
これで「PC用」として使えるようになりました。
(※青いマークでPCと書かれているのがPC対応の目印です。)
PC/Questに両方対応させる理由とは?
PC用に対応させる意味はあるの?
と思う人もいると思います。
結論を言うと、PCにも対応させないと、PCの人からあなたの姿が正しく見えません。
文章だとわかりにくいと思うので例を挙げます。
↑これは僕のフレンドなのですが、、、
Quest対応させていないPC用アバターを、Quest側から見た様子です。
こんな姿で「なでなで」しあっていたら、ゾッとしますね…。笑
これと同じことが、PC対応されていないQuest用アバターでも起こるわけです。
4.アバターをQuest用に変換する
ここでやっと『VRCQuestTools』の出番です。
- Unityの『VRCQuestTools』をクリック
- 『Convert Avatar for Quest』を選択
- アバターの項目にHierarchyのアバターを入れる
- 『変換』をクリック
してアバターをQuest用に変換します。
1.『VRCQuestTools』を起動させる
Unityの上の方にある『VRCQuestTools』をクリックします。
『Convert Avatar for Quest』を選択して起動させます。
2.『VRCQuestTools』にアバターをセットする
Hierarchyのアバターをドラッグ&ドロップするだけでOKです。
これで変換する準備ができました。
3.『変換』をクリックする
変換をクリックすると、アバターがQuest用に変換されます。
これでQuest用にアップロードする準備ができました。
5.Quest版でVRChatにアップロード
- 『File』をクリック
- 『Build Settings』を選択
- 『Android』を選択
- 『Build』を選択
することでQuest用にアップロードできるようになります。
そのままいつも通りVRChatにアップロードすれば、PC/Questの両対応アバターの完成です。
1.プラットフォームの設定画面を開く
Unityの画面左端にある『File』をクリックして、
『Build Settings…』をクリックします。
2.『Android』に変更する
Platformの中の『Android』を選択します。
続いて『Switch Platform』をクリックして変更されるのを待ちます。
無事に変更されるとUnityのマークがAndroidへ移ります。
マークが移ったのを確認したら、×をクリックして『Build Settings』を閉じます。
3.VRChatに再アップロードする
再度いつも通りVRChatにアップロードして完了です。
- 青マーク:PC対応の目印
- 緑マーク:Quest対応の目印
です。
無事にPC/Questの両方に対応させることができました。
お疲れ様でした。
【VRChat】PC用アバターをQuestとPCの両方に対応させてみた結果
という疑問にお答えします。
結論から言うとQuest版にて…
- アバターの表情が崩れる場合がある
- Dynamic Bone(スカート等の揺れ)が無くなる
という感じです。
PC版は問題ありませんでした。
僕はOculus Quest2とゲーミングPCを持っているので、
- PC版(VR)
- Quest版
からそれぞれログインして違いを比較しました。
1.アバターの表情が崩れる場合がある
写真のように表情が崩れる場合があります。
全部ではなく「頬染め」において崩れてしまう様です。
「崩れる」とまではいかなくても、色が変わってしまうこともあります。
テクスチャの透過が反映されない
テクスチャの透過が反映されないため、頬染めなどの表現に問題がある場合があります。そのような場合はアニメーション編集やメッシュ削除などの方法で対策する必要があります。
別のBlueprint IDでのアップロードやAvatars3.0のローカルテストを使用して、変換後のアバターの見た目をPCで確認することをお勧めします。
アバターを変換する際に上記の注意事項が記載されています。
表情が崩れる場合はどうすれば良いのか?
- 顔のアニメーションを編集して、崩れた表情が現れないようにする
- 崩れるメッシュを削除する
という方法が注意事項に記載されています。
個人的には顔のアニメーションを編集するのが良いと思います。
編集には、がとーしょこらのおみせ様の『VRCAvatarEditor beta』がおすすめです。
2.Dynamic Bone(スカート等の揺れ)が無くなる
ジャンプをしてもQuest版の方はスカート等が揺れなくなります。
(※写真の表情の違いは、撮影のタイミングによるものです)
以下の非対応コンポーネントを削除します。変換後、アバターの機能に支障がないか確認してください。
- Dynamic Bone
- Dynamic Bone Collder
この点についても変換する際に注意事項が書かれています。
以上が『VRCQuestTools』でPC/Questに両方対応させた結果でした。
アバターをアップロードしたら、
ホームワールドの鏡で、アバターの表情を確認することを忘れないで下さい。
【追記】アバターは「Very Poor」になるので注意!!
この記事をツイートしたところ、作者のクロツ様よりコメントをいただきました。
Quest側はVery Poorになるので適切なFallbackアバターの設定もしておいてくださいね https://t.co/xPM8p64Wdv
— クロツ (@kurotu) January 27, 2022
PC用のアバターをQuest対応させると、「Very Poor」になってしまう。
Fallbackアバターの設定も行っておいてくださいね。
とのことです。
これはどういうことかといえば、
- Quest版では「Very Poor」は自動的に読み込めない※
- せっかくQuest対応したのに、アバターが重すぎて表示できない
- 結果的にFallbackアバターが表示されてしまうので注意してね
とのこと。
順番に説明していきます。
※解決策はありますので、読み進めてください。
1.アバターのパフォーマンスについて
VRChatではアバターを以下のように評価しています。
- Excellent:負荷がとても軽いアバター
- Good:負荷が軽いアバター
- Medium:普通くらい
- Poor:負荷が重いアバター
- Very Poor:負荷がとても重いアバター
となっております。
Excellentは負荷が軽く、アバターを読み込むのも一瞬です。
対してVery Poorは読み込みに時間がかかり、他者に負荷をかけてしまいます。
PC用のアバターをQuest対応させると、「Very Poor」になってしまうわけです。
2.Quest版ではVery Poorを自動的に読み込めない
(↑アバターが読み込めなければ、Fallbackアバターになってしまう…)
…で、Very Poorの何が問題なのかといえば、
Quest版では、Very Poorのアバターを自動的に読み込むことができないのです。
つまり、、
「せっかくQuest対応させたのに、同じQuest版の人から本来の姿が見えない」
ということが起こります。汗
解決策はあって、
- メニューを開く
- 相手をビームで選択
- ShowAvatarで再読み込み
をかけてもらえば見えるようになります。
だから、
「Quest対応したのに、サボテンアバターって言われた」
「おかしいな…?Quest対応したはずなのに…」
という時は、相手にもう一度読み込んでもらってください。
3.初対面の人には「Quest対応」・「非対応」かがわからない
(↑Choose Fallbackを選択して、無難なアバターを設定しておきましょう!)
困ったことに初対面の人からは、あなたが
- 「Quest対応しているけど読み込めていない」のか、
- 「そもそもQuestに対応していない」のか
パッと見はわからないわけです。
相手がフレンドさんであれば、
「ごめん!アバターを読み込んで~」
って気軽に言えると思います。
でも初対面の人が相手だったら、どうでしょうか…?
ちょっと言いにくいですよね。
ですから、変な見た目にならないよう
Fallbackアバターの設定も行っておいてくださいね!
というわけです。
1~3人程度であれば、「悪い!読み込んで~」ってお願いできると思います。
でも大勢が集まるとそうもいきません。
ですから、
Quest版の人が大勢集まる場所では、負荷の軽めなアバターを使うのが良いでしょう。
『VRCQuestTools』を使ってみた感想→「最強なのでみんな使うべき!」
PC/Questの両方に対応させておくことで、
- Quest版でログイン:Quest用の見た目になる
- PC版でログイン:PC用の見た目になる
というのが自動的に切り替わります。
もっと詳しく言うと、
- Quest版でログインしていても、
- 相手がPC版だったら、
- PC用の見た目になる。
- (相手がQuest版ならQuest用の見た目になる。)
わけです。
これはPC/Questに両方対応させた状態で、PC版の人に撮ってもらった写真です。↑
この時、
- 僕はQuest版のVRChatにログイン
- 僕から見るとQuest版の見た目になっている
- でもPC版の人からはPC用の姿が見えている
という感じでした。
Dynamic Bone等も異常無く動作しており、表情が崩れることもありませんでした。
『VRCQuestTools』最強ですね…!!
ワンクリックでUnity初心者にも優しいので、ぶっちゃけみんな使うべきだと思う。
まとめ:『VRCQuestTools』を使えばQuest対応アバターにこだわる必要が無くなる!
『VRCQuestTools』を使えば、
- Questの人にも本来の姿を見せられる
- PCの人にはPC用としてアップロードした姿が適用される
- お互いに余計な気遣いが不要になる
- アバターの選択肢が大幅に広がる
というメリットがあります。
なにより「Questだから…」と、
自分のプレイ環境を呪わなくてもよくなることこそ、
最大のメリットであると感じます。
『VRCQuestTools』の作者様、素敵なツールをありがとうございます。
記事は以上でおしまいです。
「Quest対応させる方法はわかったけど、使いたいアバターが見つからない…」
と悩んでいる人は、こちらの記事で人気なアバターを探すコツを書きました。
みんなが使っている人気なアバターも紹介しているので、合わせて参考にしてください。
Quest用に変換を2回行っているのは誤植ですか?